当社は、石川県・山中漆器の産地に拠点を置く企業です。山中は漆器の基となる「木地(きじ)」づくりの技術で400年以上の歴史があり、日本一の生産額を誇る漆器産地でもあります。
1946年の創業以来、当社でも技術や生産性の向上、販売促進などさまざまな取り組みを行い、現在に至っています。おかげさまで、ミシュラン三つ星レストランなど多くの納入実績を重ねることもできました。
これまでの漆器は、飲食什器や茶道具など日本人の生活様式に沿ったものが中心でした。しかし、この50年ほどで日本人の生活も洋風化が進んでいます。
そこで近年は「現代の生活様式に合い、海外にも存在するものを」と、ボールペンなどのステーショナリー関係の企画・製造にも力を入れるようになりました。これらのアイテムには、金粉や銀粉を蒔いて模様をつける「蒔絵(まきえ)」が欠かせないものとなっています。
ハンドメイドなので大量生産はできませんが、ハンドメイドの丁寧さが「メイド・イン・ジャパンの商品は緻密で美しい」という評価につながっています。
漆器はアジア圏の国々にも存在しますが、日本の漆器、とりわけ山中漆器は「轆轤による木地の製造」「塗と蒔絵の技術」で高い評価を得てます。16世紀後半から続く伝統産業に取り組む、職人のこだわりと心遣いが息づいているのです。
当社の強みは、数多くのお取引で培った「いいもの」への目利きです。石川県は陶器や蒔絵など、海外のみなさんが驚くような「メイド・イン・ジャパン」の工芸品の宝庫です。「日本への旅行で知った良質な工芸品を、自分の国でも買いたい」というご要望に、取引先と力を合わせて応えていきます。
日本には、海外に誇ることができる文化がたくさんあります。しかし、日本の文化、特に漆器の認知度にはまだまだ伸びしろがあります。山中漆器をはじめとする日本の「いいもの」が発展するよう、世の中の流れをキャッチしながら努力していきます。